鍵を比較検討!
「050」の専用電話番号により、発着信がスムーズに行われ、“普通の電話',として利用できるようにはなる。
しかし、「050」の番号体系を維持し、広くあまねく利用できるようになるためには、加入者DBの整備、アクセスチャージの設定などが必要となるが、それらの費用負担のルールについては未解決である。
また、IP電話同士であっても、通信事業者間で相互接続を行っていなければ、通話することはできない。
そのため、「050」同士での相互接続についても、引き続き事業者間の検討が必要となってくる。
さらに、従来の固定電話の電話番号は、それ自体が個人IDあるいは世帯IDとしての機能を社会的に担っており、クレジットカードや銀行口座の開設などには必要なものである。
今後、「050」の電話番号しかもたないユーザーが増えていった際に、「050」の電話番号も固定電話番号と同様に、個人ID・世帯IDとして社会的に容認されることが必要となってくる。
加えて、固定電話からVoIPへスイッチした場合、電話番号自体が変わってしまい、友人・知人にその変更を知らせるなどの必要が生じる。
このような、目に見えないスイッチコストが発生することも、IP電話普及の阻害要因としてあげられる。
特に、電話番号が変わることへの抵抗感が、中高年ユーザーを中心として根強いと考えられる。
何よりも、VoIPでは、110や119などの緊急通報電話の仕組みが備わっておらず、ユーザーが、“普通の電話”としてVoIPを選択しにくい状況を作り出している。
携帯電話の普及ぶりは目覚ましい。
N研究所の実施しているCLO調査によれば、2003年3月の携帯電話の個人利用率は84.4%(ただし15〜59歳)に達している。
20〜40代の男'性、10代、20代の女性では9割を超えており、まさに携帯電話を利用していない人をさがすほうが困難な状況になっている。
これは、別の見方をすれば、携帯電話の普及はほぼ限界に差しかかっていることを示している。
1人が複数の端末や契約を保有するケースもあるものの、個人が通信に対して支払う金額を大きく増やすことに貢献するとは考えにくく、わずか10年そこそこで、7兆円を超える(電気通信事業収入のみ)市場に急成長した携帯電話業界が成熟しつつあることは間違いないだろう。
ほんの2,3年前には、3G(第3世代携帯電話)サービスが、成熟しつつある市場にブレークスルーをもたらすのではないかと期待された。
現行の2G(第2世代携帯電話)に比べて通信速度が大幅に上がることで、これまで以上にデータ通信需要が喚起され、テレビ電話や動画像のダウンロードサービスなどがさかんに利用されて、携帯電話事業者には大いなる収益がもたらされるであろうと誰もが予想したのである。
しかし、まもなくITバブルが崩壊し、3G待望論は悲観論にとって代わられてしまった。
欧州では、オークションのために高騰した3Gのライセンス料の負担が重荷となり、大規模なリストラを迫られたり、3Gへの事業展開を断念することを決めたりする事業者が後を絶たない。
各国政府が3G免許交付の条件(サービスインの時期、一定エリアカバー率到達の時期など)を緩和したこともあり、参入を予定している事業者のほとんどが、3Gのサービスインを当初の予定より大幅に遅らせている。
日本においては、2001年5月にNTTドコモが試験サービスを、同年10月に「世界初」の本サービスを開始したものの、開始からしばらくは目標値を下回る加入者数しか獲得できなかったこともあり、一気に3G悲観論が広まった。
その後、auがcdma20001xに自社のcdmaOneの加入者を円滑に移行させることに成功し、またNTTドコモも2002年度末の加入目標(サービス開始当初より下方修正したものではあるが)を達成した。
加えて、最後に商用サービスを開始したJ-フォン(現ボーダフォン)も徐々に加入者を伸ばしていることもあり、国内の3Gに対する行きすぎた悲観論は収まりつつある。
B)市場の成熟を乗り越えるとはいえ、携帯電話事業者は、3Gサービスの開発以外にも、目前に迫った"市場の成熟”を乗り越えるための手立てを講ずる必要があることは間違いない。
収益を確保するには「コスト削減」と「売上拡大」の2つの方法があるが、それぞれについて現時点で考えられるものを見ていこう。
まずコスト削減では販売インセンティブの見直しが考えられる。
これまで年間数千億円の費用を割いてきた販売インセンティブの見直しは、大きな収益改善効果をもたらすだろう。
たとえば、今までは単に販売した端末の台数に応じて支払われてきたインセンティブを、より収益に連動した形態へと転換することで、携帯電話事業者のコスト構造はそれまでの硬直的なものから、より柔軟なものに変わることが可能である。
さらに、将来的には、インセンティブそのものを大幅に削減、もしくは廃止する方向へ向かう可能性もある。
実際に、韓国では2003年3月より、インセンティブが法律により禁止されている。
もし日本でもインセンティブがなくなった場合、端末の値段は高騰し、ユーザーの端末買替えサイクルは長期化し、携帯電話販売代理店各社は当然のこと、携帯電話メーカー各社にも打撃を与えることになる。
各携帯電話関連事業者とも、このようなシナリオも意識したうえで、今後の戦略を検討する必要があるように思われる。
次いでもう一方の売上拡大の方法はあるだろうか。
現在、ユーザーが支払いうる通信費はほぼ限界に達していると考えられる。
このような状況では、通信費という範晴にとらわれない分野でも収入が得られるような仕組みが求められるようになってくるだろう。
これまでにも、iモードのように、トラフィック量に応じた通信費だけでなく、コンテンツ料に応じた手数料の形態で収入を得る方法は一定の成功を収めてきた。
今後もコンテンツに応じた課金収入という収益源は順調に拡大するものと思われる。
しかし、今後は、より大胆に従来の携帯電話サービスの枠を超えて、ユーザーが何に対してお金を払いうるのかを見極めたうえでの事業展開が必要になってくる。
たとえば、人々の安心に対するニーズが高まっており、携帯電話を利用した自動車の盗難防止のサービスや、託児所の子供の様子を携帯電話のサイトで確認できるサービスなどが実際に始まっている。
このようなサービスに対して支払われるユーザーのお金を、通信事業者として、その一部でも獲得するためのビジネスモデルはどのようなものなのか。
携帯電話事業者が市場の成熟を乗り越えて、次の成長をとげられるかどうかは、このビジネスモデルを見つけられるか否かにかかっているように思われる。
はじめに携帯電話利用者の急速な伸びに伴って、世界各地で移動体通信事業への期待が高まり、各社はモバイル事業に大きな投資を行ってきた。
特に欧州は世界的にもモバイル先進地域として動向が注目されてきた。
しかし、第3世代携帯電話(3G)導入に関しては、日本では2001年にNTTドコモから3Gサービス「FOMA」が開始されたのに比して、欧州ではほとんど進んでいない。
しかし、日本の移動体通信の動向を考えるうえで、海外の動向を無視することはできない。
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